前任者のExcelマクロが分からない…中身を確認する5つのポイントと、仕様書を自動で作る方法

マクロ解読くん Excel VBAマクロの仕様書を自動作成 Uncategorized

「ボタンを押せば動くけど、中で何をしているか誰も分からない」——そんなExcelマクロ、職場にありませんか?

作った人が異動・退職してしまうと、マクロが止まったときに誰も直せません。この記事では、引き継いだマクロの中身を確認するときにまず見るべき5つのポイントと、手作業での調べ方、そして仕様書を自動で作る方法を紹介します。

※この記事で紹介する「マクロ解読くん」は、当ブログ(自動化ラボ)の筆者が開発・販売しているツールです。

引き継いだマクロで、まず確認したい5つのポイント

いきなりコードを1行目から読むと、まず挫折します。次の順番で「全体像」をつかむのが近道です。

  1. どこから動き出すか(実行の入口)
    ボタン、ブックを開いたとき、マクロ一覧から実行、など
  2. 処理の流れ
    入口の処理が、どの処理をどの順番で呼んでいるか
  3. どのシート・セルを使うか
    どこから読み込んで、どこに書き込むか
  4. 外部とのやりとり
    他のブックを開く、PDF保存、メール送信、共有フォルダへの書き込み
  5. 壊れやすい・危ない書き方
    固定パス、エラーを無視する On Error Resume Next、ファイル削除の Kill など

手作業で調べる方法

  1. Excelで Alt + F11 を押して VBA エディタを開く
  2. 左の「プロジェクト」で、標準モジュール・シート・ThisWorkbook・フォームを順に開く
  3. Sub と Function の名前を書き出し、それぞれの中で呼ばれている処理名をメモする
  4. Ctrl + F で Sheets( や Range( を検索し、使っているシートとセルを表にする
  5. Workbooks.Open、SaveAs、Kill、CreateObject を検索して、外部とのやりとりを確認する

数十行なら手作業でも何とかなりますが、数百〜数千行になると、これだけで数日かかることも珍しくありません。

仕様書を自動で作る方法(マクロ解読くん)

上の確認作業を自動化するために作ったのが、Windows用ソフト「マクロ解読くん」です。マクロ入りのExcelを選んでボタンを押すだけで、Excel版とWord版の仕様書を作ります。

マクロ解読くんのメイン画面
ファイルを選んで「仕様書を作成」を押すだけ

処理の流れが一目で分かる

ボタンやイベントから、どの処理がどの順番で呼ばれるかを階層で表示します。

呼び出し関係の出力例
呼び出し関係(サンプルの請求書作成マクロを解析)

危ない書き方を自動でチェック

ファイル削除、エラーの無視、固定パス、64bit版Excelで動かないAPI宣言など、トラブルの元になりやすい書き方を一覧にします。

注意点の出力例
注意点の一覧

そのほかの特長

  • Excelのインストール不要。マクロを実行せず、ファイルを直接読み取ります
  • 解析はPC内で完結(AI説明を使う場合のみ通信)
  • Claude の APIキーを設定すると、AIが各処理の説明文と全体概要を日本語で作成(任意・API料金はご自身のアカウントに請求)
  • 買い切り。月額料金はありません
仕様書の概要シート
仕様書の概要シート

実際に出力される仕様書は、無料の出力サンプルでダウンロードして確認できます。

仕様書ができたら、次にやること

  • 使われていない処理の整理:どこからも呼ばれていない処理は削除候補。ただしシート上のボタンから呼ばれていることもあるので、必ずバックアップを取ってから
  • 固定パスを設定シートへ:フォルダの場所をセルに書き、マクロはそこを読むようにすると、PCが変わっても動きます
  • 64bit対応:Declare に PtrSafe が付いていない宣言は、64bit版Excelでは動きません
  • 移行の判断材料に:処理の数や外部連携の多さから、kintone・RPA・Python などへの移行の手間を見積もれます

まとめ

引き継いだマクロは、「入口 → 流れ → シート → 外部連携 → 危ない書き方」の順に全体像をつかむのが効率的です。量が多いときは、仕様書を自動で作るツールを使うと、引き継ぎや移行の準備にかかる時間を大きく減らせます。

Microsoft Excel は Microsoft Corporation の商標です。Claude は Anthropic PBC の商標です。

コメント

タイトルとURLをコピーしました